6月16日(木)
|千代田区
第257回研究会
演 題:フォーミュラリー“院内から地域へ”の課題と展望 講 師:小池 博文氏(横浜市立大学附属病院薬剤部 副薬剤部長)
日時・場所
2022年6月16日 15:00 – 17:00
千代田区, 日本、〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目5−1 日比谷マリンビル 3階
詳細
演 題:フォーミュラリー“院内から地域へ”の課題と展望
講 師:小池 博文氏(横浜市立大学附属病院薬剤部 副薬剤部長)
フォーミュラリ―への取り組み当初、「ほかの大学病院と比べ、こんなに後発 品を使わされているのに、薬剤部はさらに制限をかける気か!?」。そんな医師 からコトバは辛かったと、小池博文氏は振り返る。横浜市大病院では 2003 年 から後発品の積極的な導入を進め、2018 年から院内フォーミュラリ―構築に本 格的に取り組み、いまでは対象は 22 薬効群ほどに広がっている。
第一推奨薬と決めた薬剤については処方の 7 割ほどに達し、薬効群によって は第 2 推奨薬が使われていない例もあるが、その経済効果は年間 2,000 万円程 度にとどまるという。しかし「地域に広がれば桁が違ってきます」と、地域展開 によるメリットを挙げる。また、病院と診療所とでは治療目的が同じでも通常、 使う薬剤は異なる。従って、入院時に持参薬の確認業務が必須であり、「すごく 無駄な作業をしている」と指摘する。数値化は難しいとはいえ、地域フォーミュ ラリ―が進むことで地域医療の“質・効率性・安全性“担保をメリットに挙げる。
現在、地域フォーミュラリ―では代表的な山形県酒田市のほか、大阪府八尾市 で取り組みが始まる。神奈川県では横須賀エリアで取り組みが始まりつつある など、この 1,2 年で全国 5 エリアに“地域”は広がると予想する。その共通点 は、いずれも地元薬剤師会が医師会への対応を含め、熱心に取り組んでいること であり、併せて地域自治体の積極的な支援体制も挙げる。
今後、「国産原薬」「流通安定性」などの要件を重視した地域推奨薬の検討、決 定が望まれるが、昨今の品質・流通問題を背景に、「AG でいいのでは!」という 声も含め、地域フォーミュラリ―をめぐる状況は複雑だ。小池氏には、医師への 説得など実経験を踏まえた院内フォーミュラリ―構築の経緯やポイント、地域 展開する上での課題、現状と展望についてお話し頂く。 乞うご期待。